舞台「となりの守護神」観劇@新宿シアターサンモール(13:00〜16:35)

kitakogane_aoi2008-02-02


原作:嶋木あこ『となりの守護神(ガーディアン)』(小学館フラワーコミックス 全2巻)
脚本・演出:西田大輔
出演:天野浩成/吉田友一/大桑マイミ嘉陽愛子井上和彦秋山奈々
   窪寺 昭/西山宗佑/折井あゆみ田中良子/村田雅和/村田洋二郎
   加藤靖久/榊陽介/佐久間祐人/桜川博子/下塚恭平/中村雅人
   芳賀恵子/春口宏彰/洞内愛/三原伊織奈/岩崎大輔/一内侑 ほか      
制作:DAIS


STORY:2年前に両親を亡くした女子高生・里緒は、幼い弟とのふたり暮らし。
    学校生活と家事とに追われ、恋のチャンスも失いがち。
    そんなある日、町の露天で一枚の古いトランプを手に入れる。
    それは、中世の魔女が魔法をかけたと伝えられるクラブのJだった。
    クラブのJに宿っていたのか、その夜から、里緒の前に、ランスロットと名乗る中世の騎士が出現。
    ランスロットは「命のある限り里緒を守る」という騎士の契りを交わしてしまう。
    しかし、現代の常識が全くわからないランスロットは、やることなすことズレまくり!
    そんな姿に、里緒は次第に惹かれ、恋に落ちていくのだが…
    伝説の物語アーサー王と円卓の騎士、そして王妃グィネヴィアをも巻き込んだとっても!?
    ハートフルな恋愛ドラマ。


公式サイトのキャスト表を見る限り、てっきり天野"ギャレン"浩成氏が主役かと思い込んでいたのだが、いざ蓋を開けてみたら、主演・嘉陽愛子だったので驚くやら嬉しいやら(正確には吉田"デカブレイク"友一とのダブル主演)。初舞台の割にはなかなか良い芝居をしていたように思う。肩を何度も掴まれたり、身体を抱き締められるシーンが続出するので、本人が華奢な分、千秋楽近くには身体がガタガタになってしまいそうなのが心配。


秋山奈々ちゃんは、あいぴー演じる『里緒』の弟『稔』役。また弟目線による物語の"語り部"役でもある。彼女も初舞台ながら重要な役どころ。普段通り落ち着いた佇まいはさすがだと思ったが、役柄が"小学生の男の子"にもかかわらず、あまり少年っぽさが感じられなかったのは残念。座るシーンなんか仕草が女の子になっちゃってたもんな。


あゆ姉。『里緒』の友達役。リアルにあいぴーとも友達関係になったようで非常に喜ばしい。高校生役はさすがにキビシイ(良い意味でスタイルが大人の体型になっているので)感もあったが、本人の舞台に立てる喜びが、そのハジケた演技から伝わってきて、脇役ながら十分な存在感を醸し出していた。クライマックスにおける、とあるシーンでのアレは全く予想外でしてやられた。



・・・とまぁ、上記の3名目当てで観に行った芝居だが、全体的にはそれなりに楽しめた。


役者的には『高橋先生』役の村田雅和、『小久保先生』役の佐久間祐人が良い味を出しており、大いに笑わせてもらった。
また、カイリ役の田中良子も迫力の演技で、強烈な印象を残した。

そして、ベテラン・井上和彦氏が重厚感溢れる芝居で圧倒的な存在感。
素晴らしい役者同士のコラボレーションが観られたのが、この舞台の大きな収穫であった。


以下、箇条書きレベルで気付いたことやら不満な点をつらつらと。

  • 全体の8割ほどが女性客。少女漫画が原作だし、イケメンの出演率も高いので、それはまぁ納得いく感じ。ただ結構良席にも関わらず、空席になっている所もチラホラとあり(私の前の席も2つ空いていた)、勿体無いなと思った。
  • 途中、10分間の休憩を挟んで、3時間30分もの長丁場の舞台。全体的には面白いのだが、時間が長く、正直疲れた(苦笑)。
  • 殺陣のシーンはかなり迫力があり、この芝居の見せ場の一つとなっている。ただ、一瞬のタイミングの遅れで危険な状態に陥り易いので役者の皆さんには気をつけて頑張って頂きたい。
  • あいぴー(というか学生役の女性出演者は全員)がスカートの下にスパッツを穿いているのだが、それが常にスカート部を超えて、太股部分(所謂「絶対領域ゾーン」あたり)にまで下りてきてしまっているのが、いささか興醒めであった。たまたま私が観た回だけかもしれないが。
  • 音響が最悪。BGMは常に一定のレベルで流し「ここぞ」という場面で大きめに流すのが望ましいのだが、この芝居のBGMは、役者が喋っている最中は物凄く小さい音量で音楽を流し、少し会話に間が空くと、突如大音響で音楽が。そしてまた会話が始まると音を絞り、再び沈黙部分で大音量。この繰り返し。正直、耳が疲れた。てゆーか、フェーダーちゃんと使えよと。こんな音の出し方、素人以外の何者でもないぞ。
  • カーテンコールでの挨拶は、あいぴー。「昨日初日で、これが2回目の公演でした。まだまだ7日まで公演は続きますので、どうぞ宜しくお願いします」という感じだったと思う。やっぱ座長なんだな。最後の井上和彦氏のハケ方が味あり過ぎる。
  • ロビーは各出演者への花で埋め尽くされていたが、あゆ姉にも役の大きさには不釣合いな程の花が届いていた。その中で某社から贈られて来ていた花の宛名・・・『織井あゆみ様江』・・・。失礼にも程がある。

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