映画「ヘルボーイ」試写会@一橋ホール

60年前の第2次大戦末期。
敗色の濃くなった黒魔術の帝国の異名をもつナチス・ドイツは、
邪悪な魔道士ラスプーチンとオカルト結社トゥーレ協会が開発した超科学装置による世界征服計画を決行する。
そのとき、異界=地獄から召喚されたヘルボーイは、
ハルマゲドンの先遣者の宿命を負いながらも、ブルーム教授率いる連合軍に救助される。
ブルーム教授は極秘の超常現象調査/防衛局(BPRD)を創設し、ヘルボーイを息子のように育てると共に、
並外れた超常的な才能を伸ばし、世界最高のオカルト調査員へと成長させた。
闇の出自にも関わらず、比類なき善のヒーローとなったヘルボーイは、
人間の世界を脅かす邪悪な勢力と戦いつづけてきた。

そして今、魔界から再生したラスプーチンは、
世界に終末をもたらすラグナロク計画を再び起動させようと暗躍し、
ヘルボーイとBPRDに、その魔手を延ばしてくる……。


原作がアメリカンコミックスの異色ヒーロー物。
基本設定がなかなか魅力的なので「デビルマン」的なストーリーを期待すると肩透かしを食う(苦笑)。
魔界出身のヒーローが、人間を守る為に、同じ魔界からやって来る怪物と戦い続けるという基本的な構図は一緒なのだが、ヘルボーイ自体に同族との戦いへの葛藤であるとか、人間に対する絶望であるとか、そういったデビルマン的"悩める要素"が皆無なので、ドラマとしてはかなり食い足りない。恋に悩んだりはするんだけど(笑)。
CG、特撮関係は結構頑張っているので、それなりに見られる。
特に序盤のヘルボーイvsサマエル戦あたりまでは結構ワクワクしながら楽しめた。
が、それ以降、演出・ストーリー共に失速感が漂い、最後の方は殆どグダグダに(苦笑)。
なんでも日本公開版は、監督の強い要望からオリジナル版より10分長いディレクターズ・カット版での上映(全長132分)だそうなのだが、はっきり言って、あと最低20分は切るべきだと思った。もう少しコンパクトにまとめれば中盤のダラダラ感が払拭されてテンポ良く観られたハズ。部分部分では良いシーンもいっぱいあるので、そう言った意味では非常に惜しい作品という感じがした。
ラスト。
スタッフクレジットの中盤あたりで、ちょっとしたオチが挿入されるのだが、半分以上の客がクレジットスタートと共に帰ってしまったので、そのオチが観られたのは残り半分の客だけだったという事実(苦笑)。みんな、映画は最後まで観ようよ。